2013年05月17日

「manavee」の花房さんのお話を伺いました!

皆さん、こんにちは!

ここのところ、様々なセミナーに参加することが多く、先日から皆さんにもサマリーをシェアさせていただいておりますが、今回もまた一つレポートさせていただきたいと思います。

今回は、514日に開催されたSLOESocial Learning & Open Education)研究会においてゲストスピーカーで参加された「manavee」(http://manavee.com/)の代表、花房孟胤(はなふさたけつぐ)さんのお話です。

「manavee」をご存知ない方も多いと思います。「manavee」は、経済的理由などで受験予備校などに通えない高校生たちに不公平が起きないよう、なんと「無償で」でオンライン学習コンテンツを提供しようという大変画期的な取り組みをしているところなのです! 以前から私も大変気になっていたサービスの一つですが、花房さんの理念を聞くにつれ、ぜひ応援したいという気持ちでいっぱいになりました。


以下は、花房さんの講演サマリーです。
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自分の中に気に食わないことがいくつかあった。
「受験には格差がいっぱい」ある。裕福な家庭とそうでない家庭。都会の高校生と地方の高校生。教育の機会の均等は一体どこへ行ってしまったのか?


以前、自分は「カーンアカデミー」というオンライン学習サービスを使っていて、これは便利だと思い、その考えを踏襲し、サイバー寺子屋.com」というサービスを立ち上げた。ところが、ページビュー数は1日にわずか 50PV。先生はわずか3人。生徒もいなければお金もない、という状態だった。

当時、自分が考えていたことは、「一流のカリスマ講師が無料で授業を行う」というコンセプトだったが、それは間違っていたことに気づいた。

生徒たちにカリスマ講師の感想を聞いてみると、
・授業はうまいけど口の端につばがたまってキモい。

・授業はうまいけど暑苦しい。

など、必ずしもカリスマ講師を気にいっているわけではないことがわかった。


カリスマ講師っていったい何なのだろう? と考えるようになった。

受験塾業界では、「信頼」や「実績」が一番大切とされているがゆえカリスマ講師も重宝されているが、よくよく考えてみれば結局のところ、それらの信頼や実績は単に父母に対してのメッセージであることがよくわかった。つまり、親たちが見ている部分と生徒のニーズとは明らかに乖離があることがわかった。

生徒にとっては、もちろん教え方がうまい講師にこしたことはないが、もちろんイケメンや美人なら尚良し。そして、さらに面白ければもっと良し。

ここで考えた仮説は、生徒たちにとっては単に「自分の好きな先生」が一番良い先生なのでは? ということである。

つまり、

「自分の好きな先生を見つけられること」が価値につながるのでは?
しかも、教える先生というのも、実はお金のために働くのではなく、本当に優秀な先生というのは内的モチベーションで動いているのではないか?
 ということに気づき、方向性を変え、それが「manavee」のスタートにつながった。

よく周りから言われるのは、「ボランティアって結局、教える先生たちがいなくなったら続かなくなるでしょう。」という点。

しかし、自分が理想とする形は、manaveeで学ぶ高校生たちが、将来はmanaveeの先生になりたい気持ちが受験勉強の原動力になること。そして大学に合格した暁には、以前は自分が助けてもらったのだから、今度は自分が力になりたいと先生として恩返ししてくれるサイクルが続くことを期待している。

Sustainability (持続性)を考えれば、ほんのわずかでもお金をもらっても良いのでは、ということもよく周りから言われる。たとえば、リクルートがやっている「受験サプリ」は月額1000円でプロの講師の授業が受け放題というサービスを提供している・・・。

でも、manaveeは、たった1円でもお金をいただくべきではない、と考えている。

自分は「Open Education」にこだわりたいので、ビジネスモデルや持続性はさておき、無料であることは大前提であると考えている。

「manavee」
は、あえて「カリスマ講師」をつくらない形にしている。生徒たちがみんなで先生にコメントする形で評価を与えている。

先生たちを集めるため、全国に
15の学生団体を作った。現在、約230名がアクティブ会員になっている。

「manavee」で学ぶ生徒たちも、おかげさまで、会員数は15,000名まで増えた。その中の10,000名ほどがactive userである。

「manavee」は、100%周りからのボランティアや善意で成り立っているので、ぜひ皆さんも力を貸してほしい。

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ここまで、ほぼ一人の力でやってきた花房さんの行動力に脱帽です。と、ともに何かしら力になってあげたいと思わずにはいられませんでした。この記事を読んで、何かしら共鳴を感じた方がいらっしゃればぜひご協力していただければと思います!





posted by SK-Sasaki at 23:30| セミナー参加レポート