2013年06月10日

花まる学習会代表の高濱先生の講演を聞いてきました。

先日、花まる学習会代表の高濱正伸先生の講演を聞く機会がありました。

単に受験のための学習指導をするという従来の教育概念ではなく、「わが子を将来メシの食える大人に育てる」という非常に頼もしい理念で学習塾を運営されている方です。テレビとかにも出演されているのでご存知の方も多いかと思います。

私自身は、「英語」というテーマで塾を運営していますが、英語を武器にして「将来メシが食えるように指導したい」という思いは一緒のつもりです!

大変刺激を受けてきましたので、またまた皆さんに、ハイライトサマリーをシェアさせていただきたいと思います!


------------------------------------------------------------
花まる学習会
高濱正伸先生の子育て講演会


過去、大学受験生を教えていた時に、彼らを見ていて、このままでは彼らは将来飯を食えないんじゃないかと真剣に思った。
真面目ではあるが、ボソボソしゃべる、異性にもてそうもない・・・。

実際のところ、日本中が働けない大人で満ち溢れている状況。特に男性に多い。これはますます大問題になると感じている。どうにかこうにか働いている大人たちも多いが、彼のほとんどはメンタル面では非常に弱い。これは明らかに教育の何かが間違っている。

そのような思いがあって、「花まる学習会」をスタートさせた。

周りが子供たちに手厚すぎるのではないか。すぐに何かあったら困る、と甘やかしてしまっている。もっと大人たちがリスクとって覚悟を決めればいいだけの話ではないだろうか。

お母さんたちは子供たちが将来、自分で飯をくえるようになってくれればよいと思っているが、ところが実際には、子供に対して真逆のことをやってしまっている・・・。

お母さんたちは毎日、学校でいじめられているんじゃないかとか、心配で仕方がないかもしれないが、昔のお母さんたちは肝が据わっていたし、要はお母さんから変わっていかないといけない。

大きく分けると「幼児期」と「思春期」の子供への接し方。この接し方を明確に区別していかなければならない。

 お母さん方は、女の子に対してはお母さんと通じ合ってる感覚があるが男の子については何を考えているかわからない、と言う。
ただ、それをわかろうとしても永遠に無理な話。例えば「クレヨンしんちゃん」を見て嫌悪感を感じるお母さんも多いと思うが、あれが男の子の世界。女性からして見れば息子とは言え、そもそも「男性」というまったく違う生き物。残念ながら理解しきれることはない。極論、男の子なんてカブトムシみたいなものだと思って接するといいかもしれない(笑)。

子供への接し方で、何が問題になっているかと言えば、実はお母さんが100%悪いケースがほとんど。上述のように、「幼児期」と「思春期」の接し方を変えなければならないにも関わらず、思春期の子供に対しても幼児期と同じような接し方をしてしまう。「宿題はやったの?」とか「何々はやったの?」とか、すぐに口うるさく注意してしまう。思春期になったら、考え方をしっかりと改めるべき。

例えば、思春期の女の子の場合には、会社に新人OLが入ってきたつもりで接するとちょうどいいと思う。娘が知りたいのは、つまるところ「女の幸せ」。お母さんのことももっと知りたがっている。実際の話、社会に出ると、どんなに活躍している女性であっても、裏ではみんなつらい思いをしている・・・。そんなようなことを語ってあげるとよい。働いているお母さんは、思い出を語らせると、よく「共稼ぎで、子供にはさびしい思いをさせてしまった」というようなことばかりを言う。「いつも一緒にいてあげたい、いてあげられないことが罪」のように感じてしまうお母さんが多い。でも実際には「かぎっ子」であっても何ら問題なく育つ。

子供にとっては一人でいる時間も大切。突き放した時間も必要。そこで学ぶこともある。

子供に対しては、最終的にはいずれ独り立ちして働いていくことになるので、「世の中甘くないのよ」という厳しい一言が必要。「人にやさしく生きる」のは当たり前。でも、「世の中そんな生易しいものじゃないのよ、がんばれよ!」という一言がとても大切。きれいごとだけで育った男の子は本当に打たれ弱い。今の世の中、企業に出た若者たちがみんな弱いことがその事実を物語っている・・・。

男性の場合、「今までにそんなこと言われたことがない」とすぐに折れてしまう。「社会がおかしい、会社がおかしい、上司がおかしい」とすぐに屁理屈ばかりを言って、自分に責を負わない。逆に女性のほうが強い。嫌な上司に対しても「いつか仕返ししてやる・・・」くらいの気持ちを持っている。

ちなみに男性は、放っておくと、すぐに霞を食うような生き方に走ってしまう傾向がある。例えば、負けるとわかっていながらギャンブルにも走ってしまうし、ホームレスにさえなってしまう。でも、意外とホームレスの男性たちも幸せに暮らしているものだ。

そして、男性は女性をうまく受け止められない生き物と言える。男性は、「自分は正しく論理的に生きている」と思っているから女性を正しく受け止めてあげられない。実は男性が間違っていることがほとんどなのだが(笑)。

実際のところ、ベストカップルはバツイチ同志の結婚。つまり、お互いに対してあまり期待していない、というのがポイント。

子供に対しての接し方に話を戻すと、娘に対してお母さんの良い接し方の例としては、娘に1対1で面と向かって、「あなたを娘だと思わない。女として扱う」と宣言すること。例えば、「お父さんと結婚する前は実は5人とつきあったことがある」とカミングアウトするとか。恋愛のこと、告白の仕方、男との別れ方、おしゃれのこと、など何でも良い。
お母さんが、自分をさらけ出すことが大切。
もちろん、これを息子にやってはいけない・・・(笑)

息子は、小学校3年生くらいから、周りの友達に対して、お母さんと一緒にいることが恥ずかしくなってくる。そして、中学生くらいになるとまったく異星人になってしまう。「微妙」、「別に」みたいな反応しかしないようになる。でも、心の中ではママのことを女神だと思っている。が、同時にウザいとも思っている・・・。

どうしてひきこもりが多いのか。お母さんが子離れできていないというケースがほとんど。こういう家庭にひきこもりが多い。

宿題を忘れていったらお母さんがわざわざ学校に電話をかける。こんなこと絶対にやってはいけない。何か悪いことをしたら、先生にどやされて当たり前。そして、学校にどやされてきた子供に対しては「それが当たり前だ!」と言うべき。子供はそうやって学校や社会でもまれて育っていく。

現状、家庭内で起こっていることは、女(お母さん)対 男(お父さん、息子)の戦い、という構図。永遠にお互いを理解しあえることはない。女性から見て、男性は犬だと思って接すればうまくいくかもしれない。つまり、「犬くらい人間とは違う」と思えば許せてくる、ということ。

また、男性はうなづきが少ない生き物である。女性は、結論が欲しいわけじゃないが、言ったことに対して「そりゃ大変だね」とか何でもいいから反応して(うなづいて)欲しい。ところが、そのようなことを男性が理解するまでには10年かかる・・・(笑)

ただ、父親だって家庭の和を願って、なんとかしたいと思っているもの。都内で「父親教室」をやるとものすごい人数が参加応募してくる。そこで何をやっているかというと、みんなで「うなづき」の練習をしている・・・(笑)
現実の男性たちは実は悪気はない。女性もそれを理解しないと損をする、というか、かえって辛い思いをすることになる・・・。

お母さんたちも、週に一回のパートでもいいから外の空気を吸う場所が必要。仕事でないにせよ、何か外の空気を味わう場が必要。極論、韓流好きになってもいいし、嵐(ジャニーズ)でもいい。女性は何歳になっても「胸キュン」が必要。男性にはそれはないかもしれない。

今の日本が抱える問題は母親たちのイライラ。それを楽しませている「嵐」は実は国民栄誉賞モノの貢献度かもしれない。

ちなみに、不良を更生させるのはなんとかなると思うが、ひきこもりを治すのは難しい・・・。

子供への接し方の話に戻るが、父親が子供に対して厳しく言うと、そんなこと言うと子供が傷つくからやめてほしいうお母さんがよくいるが、子供はまったく傷つかないから心配する必要はなし。

ちなみに子供がいじめられたとき、どうするか?ポイントは以下の3点。

・子供の言うことを繰り返してあげる
・子供の言うことを言い換えてあげる
・子供の言うことに共感してあげる

この3つをやるだけでいい。

子供は、親に理解してもらえるだけで十分。
子供同士の喧嘩に親が口を出すべきではない。翌日には子供同士は意外とケロッと仲直りしているもの。基本は子供同士で解決させること。

そして、いじめられたときの親の対応は?答えは、「いつも通りの家」であること。あえて変わった接し方をするのではなく、いつも通りの家(居場所)をつくってあげること。

どうして「いじめ」が発生してしまうのか?
いじめには「入口」がある。ひ弱な部分を見せると、周りはその弱点を突いて襲い掛かってくる。つまり、自らが「いじめ」を呼び込んでしまっているわけである。

例えば、周りから何を言われても「うるせー」と最初に言い返しておけば、喧嘩にはなるかもしれないが決して「いじめ」にはならない。また、何か人に優っている部分(得意なこと)などあると周りは何も言ってこないもの。例えばピアノが日本一なんていう子に対しては誰もいじめようなんて思わない。極論、そのような子供が何かを言われたとしても「あんた何言ってんの。バッカじゃないの。」くらいにしか思わず相手にもしない。

また、「いじめ」を受けてしまった場合、それを「笑い」に変えることも脱却手段の一つ。ウジウジしているとますます相手はそこにつけこんで攻めてくるわけなので、思い切ってそれを笑いネタに変えて周りを巻き込むことでいじめを打開できることもある。

いじめを受けた子供たちに「なぜ死ななかったのか?」というアンケートをとると、「かわいがってくれたお母さんに申し訳ないから」という答えが圧倒的に多い。とある看護婦長の話によると、生死をさまよう人たちのほとんどが最後には「お母さん、お母さん」と口にすると言う・・・
それだけみんなにとって、お母さんというのは大切な存在。

どんな状況であっても、ママはニコニコ顔なのが一番大切。これは、ただ笑っていれば良いということではない。包み込んでくれるような、おだやかな笑顔。これが何より大切なこと。

私は、中学一年にあがる子供たちに、いつもはっきり言っていることがある。
それは「死ぬな!」ということ。「死んだら周りがどれだけ大変だと思うか」「親よりも先に子供が死ぬなんてどれだけ大変なことか」ということをリアルに言うようにしている。。。。

------------------------------------------------------------

皆さん、いかがですか?
わずか一時間あまりの講演でしたが、感じたことは、高濱先生はとにかく話がうまい!
共感できるネタが豊富なので、聴衆が自分自身や自分の子供に照らし合わせながら話を聞ける印象でした。

母親向けのテーマでしたので、参加者数百名の中に、男性は数名しか見当たりませんでしたが、男性にもぜひ聞いておいてもらいたい内容だと切実に感じました。

私たちも、自分の子供であろうがなかろうが、次世代を担う子供(若者)たちへの接し方を本当に変えていかないと、高濱先生がおっしゃるように、メシの食えない大人で満ち溢れてしまう大変な世の中になってしまうと思います。

改めて考えさせられることの多い、大変有意義な講演内容でした。

 



posted by SK-Sasaki at 18:50| セミナー参加レポート